事務職の職務経歴書|「書けることが無い」と感じたら
一般社団法人 日本総合検定資格センター
職務経歴書を前にして手が止まる。事務職の方から、いちばんよく聞く悩みです。
「電話を取って、書類を作って、来客にお茶を出して」——毎日やっているのに、書こうとすると一行も出てこない。これは経験が無いのではなく、やっていることを仕事の言葉に置き換えていないだけです。
まず、思い出す順番を変える
「何ができるか」から考えると止まります。「先月の自分が何をしたか」から思い出してください。
- 先月、電話を何本くらい取ったか
- どんな書類を、月に何件作ったか
- 誰から頼まれ、誰に渡していたか
- 自分が抜けたら、誰が困るか
最後の問いが効きます。自分が休んだときに止まるものが、あなたの担当している仕事です。
事務の仕事を「数字」にする
営業のように売上が出ないから書けない、と言われます。けれど事務にも数字はあります。売上でなくてよいのです。
| 数字の出し方 | 書き方の例 |
|---|---|
| 件数 | 月120件の請求書処理を担当 |
| 頻度 | 1日約40件の電話一次対応 |
| 人数・範囲 | 30名規模の部署の庶務を一人で担当 |
| 期間 | 3年間、担当変更なく継続 |
| 種類 | 見積・請求・納品書の3帳票を作成 |
| 削減・改善 | 定型文をひな形化し、作成時間を半分に |
正確に数えられなくてかまいません。「約」「およそ」を付けて、自分で説明できる根拠を持っておけば十分です。面接で「どう数えましたか」と聞かれて答えられればよいのです。
書き換えてみる
左が最初に出てくる言葉、右が職務経歴書の言葉です。
| そのままの言葉 | 書き換えた例 |
|---|---|
| 電話を取っていた | 1日約40件の電話一次対応。用件を聞き取り、担当者へ取次ぎまたは伝言メモで引き継ぎ |
| 書類を作っていた | 見積書・請求書・納品書の作成(月約120件)。社内システムへの入力と発送まで担当 |
| 来客対応 | 来客の受付から応接室への案内、茶菓の提供、見送りまで。一日平均5組 |
| 備品の管理 | 消耗品の在庫管理と発注(月1回・約15品目)。発注先3社との価格比較を実施 |
| 新人に教えていた | 新入社員2名のOJT担当。電話応対と伝票処理の手順書を作成 |
| パソコンが使える | Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)で月次の集計表を作成 |
コツは、「何を」「どのくらい」「どこまで」の3つを入れることです。「書類を作っていた」では、指示どおり打ち込んでいたのか、内容を判断して作っていたのかが伝わりません。
「頑張りました」は書かない
事務職の職務経歴書でいちばん多いのが、この形です。
常に笑顔で明るく対応することを心がけ、誰からも信頼される存在となるよう努力してまいりました。
悪いことは何も言っていません。ただ、誰が書いても同じ文章になります。読む側は、何をどこまでできる人なのかを知りたくて読んでいます。
心がけを書くなら、それが表れた事実とセットにします。
電話は3コール以内に取ることを部署の目安とし、自分が不在の際の取次ぎ手順を一覧にして共有した。
職務要約は最後に書く
いちばん上に来る「職務要約」は、最後に書くほうが早く終わります。下に書いた内容から、太い順に3つ拾って並べるだけです。
3年間、30名規模の営業部で庶務全般を担当。見積・請求・納品の3帳票の作成(月約120件)と、1日約40件の電話一次対応を中心に、新入社員2名のOJTも担当しました。
先に要約から書こうとすると、まとめる材料がないので止まります。
資格の欄が埋まらないとき
事務職の方から「資格欄に書くものが無い」という相談もよく受けます。
まず、資格欄が空でも職務経歴書は成立します。上に書いた「何を」「どのくらい」「どこまで」が書けていれば、そちらのほうがよほど強い材料です。資格を埋めるために慌てて何かを取る必要はありません。
そのうえで、実務の知識を形にしておきたい場合は、体系的に確かめられる手段があります。オフィスワーク検定は、ビジネスマナー・オフィス事務・接客受付という、まさにこの記事で挙げた範囲を扱う検定です。合格するとデジタル認定証が発行され、職務経歴書やオンラインのプロフィールに記載できます。
「経験はあるが、示すものが無い」という状態を埋める選択肢のひとつとして、頭の片隅に置いておいてください。
提出前に見るところ
- 会社名・在籍期間・部署名に誤りがないか
- 数字の根拠を自分で説明できるか(面接で必ず聞かれる)
- 1枚か2枚に収まっているか(事務職なら2枚までが目安)
- 前職の社名や取引先名を、書いてよい範囲にとどめているか
- 誤字脱字。とくに応募先の会社名
最後の一点だけは、何度読み返しても足りません。使い回した前の応募先の名前が残っていると、それだけで読まれなくなります。
「なんとなく」でやってきた仕事を、根拠のある形に。
オフィスワーク検定は、ビジネスマナー・オフィス事務・接客受付の実務知識を認定するWEB検定です。試験は年4回(1月・4月・7月・10月の第4日曜)。スマホから受験でき、合格者には認定証とデジタル認定証(オープンバッジ3.0準拠)を発行します。


