接客と接遇の違い|3秒以内に反応するということ
一般社団法人 日本総合検定資格センター
同じ「いらっしゃいませ」でも、急いでいる方には短く、道に迷った方には歩み寄って——この差が接遇です。
接客と接遇
接客は、お客様に応対する行為そのものを指します。接遇は、そのうえで相手の状況や気持ちに合わせて対応を変えることを指すのが一般的です。
決まった手順をこなすだけでは、接遇にはなりません。相手を見て、対応を変えられるかどうかが分かれ目になります。
第一印象を決めるもの
来客が最初に受け取るのは、言葉の内容より先に、表情・姿勢・声です。
- 表情……口角を上げ、目を合わせる。無表情は「歓迎されていない」と受け取られます
- 姿勢……座ったままの応対は避け、立ち上がる
- 声……早口にならない。語尾を下げすぎない
- 速さ……来客に気づいたら3秒以内に反応する
手が離せないときも、目を合わせて会釈します。声を出せない状況でも、目と会釈は使えます。
(※3秒は目安です。要は、無視されたと感じさせないことです)
満足と不満はどこで決まるか
お客様の満足は、期待していたことと実際に受けたことの差で決まります。
- 期待どおり → 「普通」
- 期待を下回る → 不満
- 期待を少し上回る → 満足
ここで大切なのは、期待を勝手に上げないことです。「すぐお持ちします」と言って10分かかれば不満になりますが、「10分ほど頂戴します」と言って8分で戻れば満足になります。同じ8分でも、伝え方で結果が逆になります。
過剰なサービスを足すより、言ったとおりにするほうが満足につながります。
待っている時間の使い方
お客様は、待っている間ずっとこちらを見ています。この時間の印象は、応対そのものより長く残ることがあります。
- 私語をしない。声は待合の席まで届いていると考える
- 手が空いたら、待っているお客様のほうへ体を向ける
- 他のお客様の話を、聞こえるところで復唱しない(個人情報です)
- 目が合ったら会釈する
立ち位置と距離
- 正面に立ちはだからない。やや斜めに立つと圧迫感が減ります
- 近づきすぎない。手を伸ばして触れない程度が目安です
- 座っているお客様には、腰を落として目の高さを近づける
身だしなみは「近くで見られる」
服装の基本に加えて、接客の現場では近い距離で見られることに注意します。
| 見られる場所 | 気をつけること |
|---|---|
| 手・爪 | 書類や商品を渡すとき、必ず視線が入る |
| 靴 | かがんだとき、座って待つお客様の目に入る |
| 名札 | 曲がっていないか、裏返っていないか |
| 匂い | 香水・煙草・食事。自分では気づきにくい |
おしゃれと身だしなみは違います。おしゃれは自分のため、身だしなみは相手のため。迷ったら「お客様が不快に思わないか」で決めます。
自分の状態を整える
接遇は、自分に余裕がないとできません。
- 前の対応を引きずらない。次のお客様には関係のないことです
- 疲れているときほど、意識して口角を上げる
- うまくいかなかった対応は、その日のうちに人に話す。抱えない
「なんとなく」でやってきた仕事を、根拠のある形に。
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