合理的配慮は2024年4月から民間も義務|現場での声のかけ方
一般社団法人 日本総合検定資格センター
「特別な対応をする」のではなく、困っている点を聞いて調整する——これが配慮です。
※制度の記述は2026年8月時点の内容です。
民間事業者も義務になりました
障害者差別解消法により、民間の事業者も2024年4月1日から、合理的配慮の提供が義務とされています。
「やってあげられる範囲で」という任意のものではなく、過重な負担とならない範囲で、本人と話し合って調整・代替案を検討するものです。
法律上の義務は、本人やその支援者から、社会的障壁の除去を必要としている意思の表明があったときに生じるのが基本です。ただし実務では、表明を待たずに声をかけて確かめるほうが、結果としてうまくいきます。
基本の姿勢は三つ
1. 決めつけない(見た目で判断しない)
2. 本人に確認する(「何かお手伝いできることはございますか」)
3. 過重な負担にならない範囲で調整する(できないことは、代わりの方法を一緒に探す)
配慮は、こちらが勝手に始めるものではありません。まず声をかけて、必要かどうかを尋ねます。断られたら、そこで引きます。
なお、この記事で扱う内容には、法律上の合理的配慮にあたるものと、一般的な接遇上の配慮(高齢の方への声かけ、外国語を話す方への対応、食事の配慮など)の両方が含まれます。
場面別の対応
高齢の方
- ゆっくり、低めの声で話す。大声は聞き取りやすさと関係がありません
- 段差や滑りやすい床の前で一声かける
- 待ち時間には座れる席を案内する
車いすをご利用の方
- 車いすはその方の体の一部です。断りなく押さない
- 目線の高さを合わせて話す
- 通路の幅、段差、トイレの場所を把握しておく
目の不自由な方
- 声をかけてから近づく(急に触れない)
- どちら側がよいかを本人に確認し、半歩前に立って肘の上あたりにつかまっていただく(相手の腕を引かない)
- 「あちら」ではなく「3メートルほど先の右手」のように具体的に伝える
- 階段では手前で止まり、上りか下りか、段数、手すりの位置、終わりを伝える
耳の不自由な方
- 手話・筆談・音声・文字表示のうち、どの方法がよいかを本人に確認する
- 口の動きを読む方には、正面から、口元を隠さず、普通の速さではっきり話す
- 筆談の道具は、すぐ出せる場所に置いておく
補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)
- 身体障害者補助犬法により、国や自治体の施設、公共交通機関、不特定かつ多数が利用する施設などでは、やむを得ない理由がある場合を除き、認定を受けた補助犬の受け入れが義務とされています
- 民間の職場については、事業主の規模により義務と努力義務が分かれます
- 「動物はお断り」の掲示は、ペットを想定したものです
- 犬に声をかけたり触ったりしない(仕事中です)
やさしい日本語
外国語を話す方には、難しい敬語より、短くて分かりやすい日本語のほうが伝わります。
| 伝わりにくい | 伝わりやすい |
|---|---|
| 恐れ入りますが、こちらにご記入いただけますでしょうか | ここに 名前を 書いてください |
| ただいま混み合っておりまして | いま 混んでいます。20分 待ちます |
- 一文を短く切る
- 二重否定を使わない
- 時間・数・場所は、数字と指さしで示す
- 大きな声で言い直さない。言い方を変える
食事への配慮
飲食を伴う場面では、食べられないものがある方がいます。
- 宗教上の理由、アレルギー、菜食など
- 理由は尋ねない。「お召し上がりになれないものはございますか」で足ります
- 原材料が分からないものは、分からないと伝える。推測で「大丈夫です」と言わない
アレルギーは命にかかわります。「たぶん入っていません」は禁物です。
言葉の選び方
| 避けたい | 言いかえ |
|---|---|
| 「車いすの方」 | 「車いすをご利用のお客様」 |
| 「お手伝いしてあげます」 | 「お手伝いいたします」 |
| 「おじいちゃん」「おばあちゃん」 | 「お客様」 |
| 「ご主人」「奥さん」(関係を推測) | 「お連れ様」 |
「なんとなく」でやってきた仕事を、根拠のある形に。
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