クレーム対応の手順|順番を守るほうが、早く収まる
一般社団法人 日本総合検定資格センター
クレーム対応は、順番を守るほうが結果的に早く収まりやすいものです。急いで結論を出そうとすると、かえって長引きます。
五つの段階
| 段階 | やること | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 1. 最後まで聞く | 遮らず、事実と気持ちを分けて書き取る | 途中で説明を始める(※暴力・脅迫・差別的な言動・長時間の拘束がある場合は、聞き続けずに対応を打ち切り、上長や警察へつなぎます) |
| 2. 限定して謝る | 確認できた事実について具体的に詫びる | 事実が不明なうちに全面的に非を認める |
| 3. 事実を確かめる | いつ・どこで・何が | 推測で答える |
| 4. 代わりの案を出す | できること・できないことを線引きして示す | あいまいに濁す |
| 5. 記録して共有する | 経緯を残し、担当者と上司に共有する | 自分だけで抱える |
「限定して謝る」とは
法律上の概念ではなく、接遇上の手法です。
事実関係が分からないうちに全面的に非を認めると、後の話し合いが難しくなることがあります。一方、何も謝らないと相手の感情はおさまりません。
そこで、確認できている事実(お待たせしたこと、ご足労をおかけしたこと、ご心配をおかけしたこと)については具体的に詫び、原因と責任は事実確認のあとに判断します。
ただし、「ご不快な思いをさせ」だけの決まり文句で済ませると、責任逃れと受け取られることがあります。何について詫びているのかを、具体的に言うのが要点です。
クレームは三つに分かれる
- 品質のクレーム……商品の不良、サービスの不履行 → 事実確認と手当て
- 対応のクレーム……態度、待たせた、たらい回し → 確認できた事実を詫び、社内で共有
- 期待とのずれ……説明不足、思っていたものと違う → 説明のやり直し
原因が違えば対応も変わります。混ぜると対応を誤ります。
代わりの案は「選べる形」にする
「できません」で終わらせません。
ご返金は承りかねますが、交換であれば本日中に手配できます。いかがでしょうか。
※この言い方が使えるのは、法令・契約・社内規程に照らして返金の義務がないことを確認できた場合です。クーリング・オフや返品特約、契約不適合責任にあたる場面では、返金や交換に応じる必要があります。
複数の案を示すと、相手は選ぶ側に立てます。それだけで対立の構図がやわらぎます。
二次クレームを生む言動
最初の問題より、その後の対応で怒りが大きくなることがよくあります。
- 折り返すと言って連絡しない
- 別の担当につないで、同じ説明をさせる
- 前回と違う説明をする
- 「確認します」だけで、その後の連絡がない
一次対応より、二次対応のほうが難しくなります。最初の約束を守ることが、結局いちばん早い解決になります。
言ってはいけない言葉
- 「そういう決まりですので」……相手の話を聞いていない
- 「普通はそんなことは起きません」……相手を疑っている
- 「担当ではないので分かりません」……会社として答えていない
- 「前にもご説明しましたが」……相手を責めている
記録は事実の形で
「ひどい対応だと言われた」ではなく「対応が遅いというご指摘」と書きます。記録は後で社内が読むものです。ただし、脅迫や暴言があった場合は、発言そのものを正確に残します。
上長に引き継ぐとき
- お客様に断ってから引き継ぐ
- 引き継ぐ相手に、経緯と要望を先に伝える
- お客様に同じ説明をさせない
- 引き継いだ後も、どうなったかを確認する
収まったあとに
対応の経緯を記録し、担当と上長に共有します。同じことが起きない手立てを考え、対応した人を責めない。仕組みの問題として扱うことが、次の一件を減らします。
「なんとなく」でやってきた仕事を、根拠のある形に。
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