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高速道路で故障・パンクしたら。路肩での安全確保の手順

一般社団法人 日本総合検定資格センター

結論から書きます。高速道路の路肩は、道路上で最も危険な場所の一つです。停まっている車に高速で走ってくる車が追突する事故は繰り返し起きており、車外にいた人が巻き込まれる例も少なくありません。だから路肩に停めたら、やることは修理ではありません。全員が車から離れ、ガードレールの外へ避難して、通報して待つことです。

停まる前から始まる、7つの順番

順行動理由
1ハザードランプを点灯する異常を後続に知らせる。停まる前から点ける
2可能な限り路肩の左端まで寄せて停める本線側に車体を残さない
3ハンドルを左に切り、パーキングブレーキをかける追突されたときに本線側へ押し出されにくくする
4同乗者を先に、ガードレールの外など道路の外の安全な場所へ避難させる車内に留まるほうが危険。全員が車から離れる
5後方の安全を確認しながら、停止表示器材を車の後方に置く後続に停止車の存在を知らせる
6非常電話または携帯電話で通報する位置を正確に伝える
7避難場所で待つ。車内に戻らない到着まで、車のそばに立たない

避難のときは、車の左側のドアから降り、ガードレールの外へ出て、自車より後方の安全な場所で待つ、というのが、通常の左路肩に停めた場合の原則です。橋の上、高架、トンネルの中、やむを得ず右側に停めた場合など、ガードレールの外に出られない場所もあります。その場合も考え方は同じで、交通状況に応じて、自車より後方の、本線から離れた安全な場所を選んでください。停止表示器材を置きに行くときも、できる限り本線を歩かず、ガードレールの外側を通ります。

高速自動車国道等の本線車道などに故障その他の理由で停止するときは、停止表示器材(三角停止表示板など)を表示する義務があります(道路交通法第75条の11)。夜間はこれに加えて、非常点滅表示灯・駐車灯・尾灯の表示が求められます。携行そのものに法令上の義務まではありませんが、この義務を果たすためには事実上、積んでおく必要があります。

置く位置について法令は距離を定めていませんが、一般的には後方50m以上、見通しの悪いカーブや上り坂の頂上の手前ではさらに手前に置くとされています。置きに行くこと自体が危険な状況では、無理をせず避難を優先し、通報時にその旨を伝えてください。

パンクしたときは、まずハンドルを保持する

タイヤの空気が急に抜けると、車は抜けた側に引っ張られます。ここで慌ててハンドルを大きく切ったり、急ブレーキを踏んだりすると、スピンや横転につながります。

段階やること
兆候ハンドルが取られる、車体が振動する、「バタバタ」という音、空気圧警告灯の点灯、片側だけ沈んだ感じ
まずハンドルをしっかり両手で保持し、アクセルを緩めてまっすぐ進みながら徐々に減速する
次にハザードランプを点灯し、路肩など安全な場所へ寄せて停止。上の7つの手順で全員が車外へ避難
判断側面の損傷、ホイールの変形、複数本のパンクは自分で対処できない

そして、ここが大事な線引きです。高速道路上ではタイヤ交換をしないでください。路肩での作業は、後続車に追突される危険が非常に高い行為です。応急用スペアタイヤも応急パンク修理キットも、平らで安全な場所で使う前提の装備であって、高速道路の路肩は「安全な場所」に含まれません。

なお、空気の抜けたまま走り続けることも避けてください。短い距離でも、タイヤの内部構造とホイールが壊れ、修理できなくなります。

通報先と、伝える5つ

非常電話は、従来からの一般的な配置として、本線上におおむね1kmごと、トンネル内にはおおむね200mごとに設置されています。設置や運用の状況は路線によって異なり、本線の非常電話の運用を取りやめる区間も出てきています。受話器を上げるだけで管制室につながり、設置場所から位置が特定されるため、携帯電話で場所を説明するより確実です。ただし、非常電話まで路肩を長く歩くのは危険です。近ければ非常電話、遠ければ携帯電話、というのが実際的な判断になります。

落下物の発見や故障の通報には、道路緊急ダイヤル(#9910)もあります。自分の車から荷物を落とした場合でも、本線上に取りに戻ってはいけません。安全な場所に停めて、こちらへ連絡します。

ロードサービスを呼ぶときに伝えるのは、次の5つです。

1. 場所 — 道路の名称、上り下りの別、キロポスト、最寄りの出口。地図の位置情報を伝えられると確実です

2. 車 — 車種の区分、ナンバー、色。四輪駆動車か、電気自動車・ハイブリッド車かは搬送方法が変わるため伝えます

3. 症状 — いつから、どんなときに、どうなったか

4. 人数と状況 — 何人いるか、負傷者や小さな子ども・高齢者・ペットがいるか

5. 待つ場所 — ガードレールの外で待っていることを伝えます

待ち方と、そのあとのこと

待つあいだの原則は、繰り返す価値があります。車内で待たない。車のそばに立たない。原則として自車より後方の、ガードレールの外の安全な場所で待つ。荷物を取りに何度も車に戻らず、避難のときに必要なものを一度で持ち出す。夜間や雨天は、反射材の付いたベストや明るい色の上着があると視認されやすくなります。

車外に出ること自体が危険なほど交通量が多い場合は、判断が難しくなります。この場合も、通報時に状況を伝えて指示を仰いでください。道路管理者の車両が到着して交通を規制すれば、安全に移動できるようになります。

自走できない場合は、レッカーまたは積載車による搬送になります。搬送距離には上限があるのが一般的で、自宅まで運んでもらえるとは限りません。かかりつけの整備工場があるならそこを指定するのが基本です。費用の心配で呼ぶのをためらわないでください。路肩に留まり続ける危険と、費用の差は比べるものではありません。

自動車士では、高速道路での停止と避難、故障時の初動、ロードサービスの使い方を、ベーシック③ ドライブ・トラブル対応編で扱います。

クルマのことを「なんとなく」から「説明できる」へ。

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