四国八十八ヶ所「四つの道場」とは
一般社団法人 日本総合検定資格センター
四国八十八ヶ所は、弘法大師空海ゆかりの八十八の霊場をめぐる巡礼路です。全周およそ1,200km。歩けば40日以上かかる道のりです。
この八十八の札所は、四国の四県にまたがっており、それぞれの県が修行の段階になぞらえた名で呼ばれています。
四つの道場
| 道場 | 地域 | 札所 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 発心(ほっしん)の道場 | 阿波(徳島県) | 1番〜23番 | 思い立ち、旅に出る |
| 修行(しゅぎょう)の道場 | 土佐(高知県) | 24番〜39番 | 札所の間隔が長く、正念場 |
| 菩提(ぼだい)の道場 | 伊予(愛媛県) | 40番〜65番 | 悟りに近づく段階 |
| 涅槃(ねはん)の道場 | 讃岐(香川県) | 66番〜88番 | 結願へ向かう |
徳島から時計回りに巡り、香川で満願を迎える——これが基本の流れです。
土佐が「修行の道場」と呼ばれるのは比喩ではありません。 高知県では札所と札所の間隔が長く、歩き遍路にとって最も体力を要する区間になります。
1番 霊山寺と 88番 大窪寺
- 第1番 霊山寺(りょうぜんじ)(徳島県鳴門市)… ここで遍路装束を整える方が多く、菅笠・白衣・金剛杖などが揃います
- 第88番 大窪寺(おおくぼじ)(香川県さぬき市)… 結願の寺。寶杖堂(ほうじょうどう)に金剛杖を納める慣習があります
結願したあと、高野山の奥之院へお礼参りをする慣習もあります。弘法大師が今も奥之院におられるという信仰にもとづくものです。
「同行二人」の意味
遍路装束の菅笠や白衣には「同行二人(どうぎょうににん)」と書かれています。
これは「弘法大師と二人連れ」という意味です。一人で歩いていても、大師が共にいてくださる——そう考えることで、長い道のりを支えてきました。
金剛杖は大師の分身とされ、宿では杖の足を洗って床の間に立てかける、という作法も伝わります。
全部回らなくてもいい
八十八ヶ所というと大変な印象がありますが、現代では分けて巡るのが一般的です。
- 通し打ち:一度にすべて巡る
- 区切り打ち:何回かに分けて巡る(週末ごと、年に数回など)
- 一国参り:一つの県だけを巡る
車やバスを使う方も多く、公共交通と徒歩を組み合わせる方もいます。歩かなければ本物でない、ということはありません。
はじめての方は、1番から23番までの阿波(徳島)だけを2泊3日で——といった区切り打ちから始めると、無理がありません。
納経帳と御影
四国遍路では、御朱印帳ではなく納経帳を使います。各札所で納経(読経または写経の奉納)をし、その証として印をいただきます。
あわせて御影(おみえ・おすがた)という、その札所の本尊が描かれた小さな札を授与されるのも四国遍路の特徴です。専用の御影帳に納めていきます。
お接待の文化
四国には「お接待」という文化があります。地元の方が遍路に飲み物や食べ物を差し出す慣習です。
これは大師への供養の代わりとされ、断らずに受け取り、感謝を伝えるのが作法とされています。金銭で返す必要はなく、納札(おさめふだ)を渡すという慣わしがあります。
もっと知りたい方へ
御朱印検定の西日本編では、四国八十八ヶ所の四つの道場を図解し、霊山寺・大窪寺・善通寺などの主要札所を解説しています。区切り打ちのモデルコースも収録しています。
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